歯を抜かない矯正・床矯正

「いがんで大人の歯が生えてきた!」

「アゴが小さくて大人の歯が入りそうにない」

「受け口で前歯が逆になっている!」

 

たいてい一番最初に歯並びの異常に気付くのはお母さんです。

 

むし歯の治療は小さいうちに治せば簡単に治せますし、子供たちの負担も少ないです。逆に、大きくなって神経まで進んでしまうと治療回数もかかり、子供たちの負担も大きくなります。

 

実は歯並びも同じなのです。歯並びの異常に早く気づき早く治療をすれば意外と簡単に治せるのです。逆にそれを放置するとますます悪くなり、治すのに手間がかかるようになります。多田歯科では歯並びも予防的に治すことが最も良いと考えています

 

床矯正を始めた理由

私たちが学んだ矯正学は永久歯に生え替わるのを待って、それから永久歯を抜いてワイヤー式の固定装置で治療するというものでした。ですから、私も患者さんには「まだ乳歯ですから様子を見ましょう」と説明していました。しかし、年を重ねるにつれてますます歯並びが悪くなってしまったり、せっかくむし歯を予防できたのに「これから70年以上も使っていくであろう歯」を抜いて矯正するということはとても悲しくつらい思いでした。

 

何もせずに、ただ悪くなっていく歯並びを手をこまねいて見ているだけでいいのだろうか?歯並びを良くするのも予防歯科の仕事ではないのだろうか?

その思いが次第に強くなり、試行錯誤の結果、床矯正にたどり着きました。

 

床(しょう)矯正治療とは

簡単に言えば、顎を広げて綺麗に歯を並べる矯正治療です。顎を広げるというと「顔が大きくなってしまうのでは?」と心配される方もいらっしゃいますが、正確には歯を支えている骨である歯槽骨の部分のみを拡大させるので、顔が大きくなることはありません。むしろ、発育不足で萎縮した顎に正常な発育を促し、正しく噛めるように矯正することで、本人が潜在的に持ち合わせていた顎顔面発育のポテンシャルが最大限に発揮できるようになり、表情豊かな「美人顔」「きれいな顔」に誘導させてあげられるのです。

 

 

 

床矯正はいつから始めるの?

一般的なワイヤーを使用した矯正治療は12〜15歳からの治療がいいと言われています。これは一般的に矯正治療の抜歯対象となる第一小臼歯が10〜11歳頃に生えてくるので、その後の治療時期としては12〜15歳となるのです。

しかし、多田歯科では成長期の子供の場合永久歯は抜きません。抜歯をすると萎縮した顔がもっと萎縮してしまうからです。歯が並ぶのに必要な顎の大きさに成長させることの方が自然だと考えています。

 

それに歯を抜くことの副作用として全身のバランスを崩す危険性、噛む力、刺激の減少による中顔面の発育不全などが考えられます。

 

人間の顔の発育には一生に2度あります。1回目は生まれてから6歳までです。歯が奇麗に並ばないのはこの時期の顎の発育不良が原因と考えられます。2回目は11歳頃からです。

 

 

床矯正治療の基本的な考え方は6歳までに正しく発育できなかった顎、顔を10歳までに治して11歳からは自分の力で発育できるよう誘導してあげることです。女の子は14歳ぐらいまでで顔の発育は終わってしまいます。男の子も17歳くらいまでには顔の発育は終わってしまいます。

 

歯並びのみならず理想的な顔貌の獲得ということまで考えればやはり7〜8歳までに床矯正治療に入って犬歯が萌え替る前に治療を終わらせた方が良いのです。犬歯が生えてきて八重歯状態になってからの治療では臼歯(奥歯)を後方に移動したり、前歯を前に移動したりする為、費用も時間もかかります。

 

治療の目的は、歯が並べばいいのではありません。

 

良い顔に発育するための正しい噛む刺激が必要なのです。発育不足の顎を10歳までに機械的に治療して、11歳以降は自分の噛む刺激で「良い顔」を作ることが矯正治療の目的と考えています。

 

歯並びの問題は単純に顎と歯だけの問題だけではありません。

 

一生の顔の形に関わる大切な問題です。

治療開始は「おかしい」と感じた時が治療の時期です。

様子を見ていたら、発育不足の萎縮した顔のままです。

お母さんが見て、おかしい状態は歯科医師の立場から見ても何らかの問題はあるはずです。「おかしい」と感じたら様子を見ていないで手遅れになる前に治療を開始されることをお勧めします。

 

また、当院は床矯正研究会の主宰者である鈴木設矢先生より直接御指導を仰ぐことができますので的確な診断治療が可能です。